【10.10.27】 星野公平ニュースNo.124発行
米価の暴落とTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加
農業者などから悲鳴と怒りの声があがっている米価暴落と、政府によるTPPへの参加検討は、日本の農業と米を一層の苦境に追い込んでいます。
第一は、深刻な生産者米価の暴落問題。日本共産党は、緊急に過剰米の買い上げによる米価の下支えを行うべきだと強く求めています。政府は、いわゆる「棚上げ備蓄方式」―保管期間を過ぎた米を主食用米以外に転用する方式―を実施する方針を決めており、それを前倒しすれば、過剰米の買い上げはすぐにでも実行できるはずです。ところが、政府には、暴落を止める責任を果たすという立場がありません。政府の責任で米の需給と価格の安定をはかり、価格保障と所得補償を組み合わせて再生産を保障する政策をとるべきです。
第二は、TPP交渉への参加検討問題。首相は、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議までに、TPPなどに対する政府基本方針を作成するように関係閣僚に指示しました。TPPは、アメリカやオーストラリアなど9カ国で行っているものですが、関税撤廃の例外を認めない完全な貿易自由化を目指した交渉です。これに日本が参加すれば、関税は全面撤廃となり、米は90%減、小麦は99%減、牛肉は79%減、豚肉は70%減と、日本の農業はあらゆる分野で壊滅的な打撃を受け、現在40%まで落ち込んでいる食料自給率が12%まで落ち込むと言われています。
すでに日本の農産物の平均関税率は、12%まで下がっています。関税ゼロというのは、本当に「亡国の政治」以外のなにものでもありません。地球的規模で食料不足が大問題になっているときに、豊かな発展の潜在力をもっている日本農業を無理やりつぶすことは絶対に認められません。
日本農業の再生のために各国の「食料主権」を尊重した貿易ルールをつくることが今こそ必要です。
桑名市内のマンション建設と土地開発
桑名市内でのマンション建設が再び盛んになってきました。高層マンションは景観を悪くし、住環境を破壊し、多くの被害を住民に与え、桑名市内ではもうたくさんです。多くの近隣住民が高層マンション建設に反対していますが、行政側は建設業者から確認申請があれば粛々と受け入れる状況です。桑名市は5年前に「桑名市中高層建築物等の建築及び建造に係る紛争の予防に関する条例」を作りましたが、当時本会議等で星野公平議員が指摘したように全くの骨抜きで、住民の意見は聞かず、建築を推進する条例になっています。以前の要綱のほうが、住民説明会の内容を詳細報告するようになっており良かったとも言われています。
西方地区の土地開発も自然破壊の最たるものです。桑名市が独自に作った都市計画マスタープランは何処へ行ったのでしょうか。住民の道路拡張等の要望も聞こえていないようです。
写真は省略(右下2つはマンション建設予定地、左下は西方地区の土地開発)
桑名市の現状と思うこと ―成果と公約からー
*集中改革プラン(平成17年度から平成21年度までの5年間)の検証は、事務事業の見直しや民間委託の推進といって経費を38億3,000万円削減し、定員適正化といって病院を除いて職員を133名削減など住民サービスの向上とはならない様々な行政改悪を推進しました。
*平成22年度から平成28年度までの7年間の「桑名市行政改革大綱(第3次)チャレンジプラン2010」は、これまでの「管理的」な行政運営から、限られた行政資源を有効活用する「経営的」な行政運営に取組むという。簡素で効率的な行財政運営のもと、市民が「ゆとり」と「豊かさ」を実感できる「市民生活の質の向上」を目指すといいます。
*財政状況
桑名市の健全化判断比率は、将来負担比率が164%と近隣市町村に比べて高いのが指摘されています。PFI事業も入れれば更に高くなり、今後が心配なところです。
*市議会では、「議会基本条例」の作成の準備を進めており、次期議会より議会の役割を議会として市民に訴えていきます。
*合併後の状況
合併による「サービスは高い方へ、負担は低い方へ」のうたい文句はことごとく裏切られました。特に旧多度町、旧長島町の方からは大きな不満が出されています。
みんなで考え、要求しよう。
【福祉関係】
1、社会的弱者(障害者や高齢者)に冷たい予算を考え直す。
2、生活保護行政は前進するも、車の所有や就労指導に問題点あり。
3、子どもの医療費は近隣市なみに無料化の拡大。子育ての場つくり。
4、介護の問題は介護認定のあり方や、入居施設不足の解消を。
5、県下一高い国保税は決算書から見ても引き下げは充分可能です。
6、母子保健・予防の推進。地域医療としての市民病院の役割を。
【市民安全関係】
1、男女共同参画問題、男女が社会のあらゆる分野において、対等な構成員として共に参画できる男女共同参画社会の実現を目的として制定するもので、中味をもっと議論し条例化を急ぐ必要はなかった。
2、同和問題、この4年間で同和関連予算は5億円から3億円台まで減らされてきていますが、住宅新築資金貸付の市が代わって返却している金額の減少が大半です。不公正な同和予算は市長の強いリーダーシップで即刻廃止することを求めます。
3、危機管理・防災対策として、福祉部門と連携して災害時の安否確認のシステム化が急がれています。
【建設関係】
1、道路のメンテナンス、危険な側溝の蓋の新設には住民の意見を。
2、下水道の全地域への普及は平成37年度までに可能なのか。
3、今年値上げになった下水道料金の負担は家計を壊している。
4、行政マンは、都市計画マスタープランを遵守して、土地開発・マンション建設に住民の意見を取り入れるように努力すべきです。
5、市営住宅のうち改良住宅の特例を止め、お年寄りが1人でも入居できるように規則の変更が必要です。
6、駅西区画整理事業(280億円)は見直し、身の丈にあった計画に。
【水道関係】
1、不祥事問題はまだ解決していません。
2、新設された「修繕センター」で桑名の水道は守られるのでしょうか。
3、桑名の水道水は他市より安いといわれるが「水道料金」負担は重い。県水の購入実態を明らかにし、交渉をすれば値下げも可能ではないか。